せとかはどこ産がおいしい？人気名産地について

せとかは1984年に柑橘類の名産地である長崎県の旧農林水産省果樹試験場にて誕生しました。

せとかは「清美」と「アンコール」をかけ合わせたあと、それに「マーコット」をかけ合わせてできたミカン科の柑橘類です。

瀬戸内海の辺りで普及することを願うことや、長崎県島原と熊本県天草の間にある早崎海峡の近くに位置することから、「せとか」という名前が名づけられました。

せとかという名前から「瀬戸内海」を想像できるとは思いますが、長崎県で誕生したとまでは思わない人が多いでしょうから、どこ産かと思う人が多いでしょう。

今回はせとかの名産地について紹介します。

せとかを育てるのに適した土地・気候について

せとかはその他の柑橘類と同じように、水はけが良く、かつ保水性も高い肥沃な大地を好みます。

ビニールハウスで栽培する場合、乾燥させすぎたり、肥料を与えすぎたりして、球根が弱弱しく育ってしまうことがあります。

せとかの生育を促すために、温度管理や費用の量や与え方などしっかりと管理する必要があります。

肥沃で排水がよく、保水性も高い土壌を作るために、適切に施肥をすることで土壌を改良していく必要があります。

具体的には苦土石灰を入れたり、有機物を入れたりして、肥沃な大地を作っていきます。

せとかは不知火と同様に枝の生育の勢いが弱いので、温州みかんよりも約20%ほど施肥の量を多くする必要があります。

ただし施肥の量が多すぎると根が枯れてしまったり、塩基類が多くなってしまって、うまく育たない恐れが出てきます。

反対に養分が不足してしまうと、枝の生育がうまく行かなくなります。

また、水分が適量でなければ、根腐れが起こる可能性が高まるので、元気なせとかを栽培することができなくなります。

温州みかんの場合、8月くらいから土壌を乾燥させることで、糖度を上げることができますが、せとかの場合乾燥させすぎてしまうと、健全な枝の発育を疎外してしまって、樹勢が弱くなってしまいます。

そのため、ポリシートなどを使って、土の表面をカバーしてあげることによって、土を適度に保湿し、樹勢を保つようにすることが望ましいです。

このようにせとかは温州みかんと比べて、施肥管理や温度管理が必要なので、育てるのが難しい柑橘類の一つとされています。

せとかの名産地

平成22年の統計を見ると、みかんの名産地である愛媛県がダントツで1位の出荷量となっており、全体の約7割が愛媛産ということになります。

そのため、スーパーなどで、せとかを見つけて「どこ産のせとかだろう」と思ったら、大抵の場合は愛媛県産ということになるかもしれません。

出荷量の全国2位は佐賀県、3位広島県、4位は長崎県となっていますが、せとかはみかんの栽培をしている所であれば、どこ産と思う必要がないほど、全国各地で栽培されている馴染み深い品種です。

年が明けて2月くらいから路地もののせとかは出荷されますが、同じくジューシーでおいしいと人気がある「不知火」や「はるみ」などと併せてとても人気があります。

おいしいだけでなく、皮の部分が滑らかで美しい橙色であり、形も美しいので、懐石料理に使われることが多々ありますし、海外でも大変人気があります。

せとかは枝にトゲが出る柑橘類であるため、皮にキズがつかないように、栽培の時に枝のトゲを切り取ったり、実の部分に袋をかけたりしています。大玉のせとかで、皮の部分に全くキズがない場合は、高級品の扱いとなります。

まとめ

せとかの名産地は愛媛県や佐賀県、広島県ですが、出荷量の7割近くを占めているのは愛媛県であり、堂々の1位となっています。

ジューシーでおいしいので、とても人気のある柑橘類で、上等なものだと懐石料理に出てきたり、贈答品として扱われます。

また、温州みかんと比べて、樹勢が弱いうえに、2月の収穫時期まで果実を枝につけておかなければならないので、温度管理や施肥管理が難しいことでも有名です。